January 16, 2006

Italy-Japan


12月28日、イタリアを離れる。
途中、幸運なことに機内から"オーロラ"が見えた。
もちろん、写真におさめたかったのだが未熟者の私には機内からオーロラをとらえることは無理…。
シベリア上空からの1枚。

We left for Japan on 28th.
Fortunately, we could see a beautiful "AURORA". Of course we tried to take photos of it but it was too complicated to make it happen...
This shot was taken above Siberia.


今回の同行者は「働き者」さんの大学院時代の友人クリスチャン。
B:「どうして日本に行こうと思ったの?」
C:「日本は神道、仏教の国でしょ。ということは食事もベジタリアン系だと思ってね…」
なるほど、彼の指摘は確かに正しい。京料理は確かにベジタリアンだ…。

フライト中、日本語フレーズ本を読んでいた彼、あっという間に我が家の「働き者」さん以上に日本語が話せるではないか!数も1から10まで言えるようになっていた…。
Christian decided to visit Japan with us!
He opened a Japanese phrase book on the flight...then he could already count 1-10 in Japanese!


福岡に到着するやいなや、以前暮らしていたマンション近くにある「広島お好み焼き:好房(こうぼう)」へ向かう。
ここはいつも大入り満員のため、何度も断念せざるを得なかった経験あり。
クリスチャン、初のお好み焼き…。ソースの甘さにちょっとビックリしながらも「おいしい」とお気に召した様子。
ベジタリアンの彼にとっても「肉なし」でいただけるあたりはmolto beneだったようだ。
「働き者」さんも念願のお好み焼きをほおばって、嬉しそう。
As soon as we arrived Fukuoka, we run to a OKONOMI YAKI restaurant "KO-BO-".
"KO-BO-" serves very good HIROSHIMA style (comes with noodles) OKONOMI YAKI.
Since this restaurant is small but very famous in Fukuoka, you may have to wait for a few hours very easily.

広島お好み焼き『好房』
福岡市中央区大名1丁目9−17
TEL:092 716 8538

KO BO (Hiroshima style Okonomiyaki)
1-9-17 Daimyo
Chuoku Fukuoka
Tel:092 716 8538

January 15, 2006

大晦日の過ごし方。

大晦日の朝、私と母は理美容室へ。
着物を美しく着るためには肌のでる部分を綺麗に剃っておかなければならない。
ついでに超音波式の美容も。
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大晦日の夜。「働き者」さんの幼なじみのアレックスと奥様、クリスチャン達を伴って大名にある
「恋のしずく」にて夕食をいただく。
ここは日本の古き良き時代へタイムスリップさせてくれる、不思議な空間。
福岡にいる時、外国からのお客様をここへ連れて行くと非常にウケがよかった。
日本人でも、こんなコンセプトが珍しくて足を運ぶのだから、外国人にとってはなおさらであろう。
お食事はほぼどれも平均的においしい。わりと頻繁にメニューも入れ替わっているので、いろいろ食べることができる。
ここでは「すくい豆腐」をいただける。桶に入った豆腐をだし、塩、抹茶塩などで味わえる。

店内には川が流れ、いつも行くときは川沿いのお座敷をお願いする。
するとそこはまるで京都の鴨川あたりの桟敷席で優雅に食事をしているかのような気分になる。
This "river restaurant" is one the nice food attractions in Fukuoka. You can find everything you'd like from a restaurant: good atmosphere and "ambience", good food, reasonable prices. Don't forget to taste to home made tofu, one of the best in town!

このレストランは全国展開でいろいろなコンセプトのお店を出していて、なかなか面白い。
リンクしているのは福岡のお店。
"恋のしずく 天神店"
福岡市中央区大名2-9-5
グランドビル1F・B1  
092-732-0300


そして今年は久々の「カウントダウン in イルパラッツォ」に参加。
福岡のクラブ好きの人にとって、どこのクラブでカウントダウンに行くかは選択に困るのだけど、このホテル・イルパラッツォホールで行われるカウントダウンパーティーに行けば懐かしい顔ぶれに会えることが分かっていたので、参加することにした。
実に2年ぶりの再会があり、嬉しい大晦日。

零時のカウントダウンと共に、シャンパンで乾杯。天井からは風船がたくさん降って来て、いつの間にかホール中で風船割りが始まった…。
ステージの上はもうお客さんやらキャストやらでごった返す。老若男女が入りまじってのお祭り騒ぎ。
そう、このパーティーはいろいろな年齢層の(小さなお子様から白髪のお年寄りまで)いろいろな国の人がいて楽しいのだ。しかも皆ノリノリでラテンを踊っちゃう。
それが九州のラテンパワーとも言うのだろうか。
Count Down party in Ilparazzo is always fun to go.
The party is organized by clubs;"Off broad way", "Arena" and other groups from all over the city of FUKUOKA.
Multinational friends gathered at this party and shared the happy moment!

さて、午前1時半を廻った頃、私たちは次の行動に出た。
それは「初湯」だ。
福岡市内にはここ数年で温泉を楽しめる所が街のいたることろに出来た。(無理矢理ほったというか…)
今年は舞鶴にある「天神 ゆの華」で初入湯をすることにした。案外同じことを考えているお客さんは多く、賑やかだった。
他にも薬院にある「城山の湯」は街の中心部にあるにもかかわらず、喧騒の世界を忘れ去れてくれる露天風呂がある。
久々の大きな温泉でほっとする新年の夜。2006年が良い年になりますよに…。
Go out till late night and go to ONSEN! This is the great thing about Fukuoka.
"TENJIN YU NO HANA" is just a walking distance from night life area.
"SHIRO NO YU" is a bit expensive but there are not any bambini(kids) there, so you can really enjoy the oasis. SHIRO no YU has beautiful ROTEN BURO(big bath outside).
You would not imagine that you are in the middle of the ciry.

January 14, 2006

元旦。

2006年。明け方まで福岡の街を楽しんだ私たちは、頑張って朝10時の朝食に出向き、
滞在したソラリア西鉄ホテルでのお正月料理をいただく。




レストラン入り口には、樽に入ったお屠蘇も。日本のお正月の習慣をイタリア人に教えることから始まった元旦であった。

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さて、元旦早々…私は着付けの先生に衣装用のメイクをしてもらい、カツラ用の頭を隠すようにして写真館へ入った。

本来ならば婿殿も同席しての写真撮りだったのだが、彼は体調を考慮して撮影には参加しなかった。格好は悪いが、花嫁が1人で写ることにことになった。
と言っても、その昔に花嫁衣装のモデルをさせていただいたときも婿殿なしで撮影、ショーも1人で歩いていたので、婿殿なしの撮影にちょっと昔の気分に戻った。



今回の白無垢、色打ち掛けの準備は全て着付けの赤司先生と母が行ってくれていた。
当の本人だけが何も知らなかったのだ。用意されていた着物は全て1点もの。しかもまだ仕立て終わって、下ろしていない衣装だったとのことで、衣装スタッフは冷や汗ものだったらしい…。
そんな貴重な着物を着せてもらえたのも、赤司先生のお力があってこそ。
(先生は十二単の着物を着付けできる数少ない師匠であり、また日本を代表する画家「千住 博」画伯が描かれた世に1つの着物の着付けを見事に成功された方でもある。)


撮影が始まると、写真家の先生が「これも、このポーズも、それからここでも…」と1時間以上の長丁場となった撮影だった。
途中、「10年に1度しかしない撮影ポーズをするから!」と気合いをお入れになり、写真館中のスタッフを呼ばれた…。
実は色打ち掛けで正面向きの写真を撮影することは非常に難しく、正面を撮ることはほとんどないのだそうだ。
そんな中、先生はそのスタイルに挑戦してくださった。

婿殿と一緒でなかったのは非常に残念だが、それも良しとしよう。

January 13, 2006

3度目の結婚!?

2006年1月2日



この日、私たちは人生で3度目となる結婚の行事を行った。
2004年3月:日本---区役所で入籍届けを出す。
(このときは同僚、友人だけの小さなパーティーを。)

2005年8月:イタリア---教会婚式を挙げる。 
(イタリアの親族と日本の家族が集まって披露パーティーを行った。)

2006年1月:日本---神社にて結婚報告祭。 
 (日本の親族、友人&イタリアの友人が集い食事会という名目の披露宴になった。)


博多山笠でおなじみの「櫛田神社」が、赤司先生のお願いということで正月三が日の超多忙時期に「結婚報告祭」を執り行ってくださった。
実は正月7〜9日までは神社はどこも「神前式」を受け付けてくれないのだが、今回は本当に赤司先生のお力で開催ができた。
ただし、「結婚式」ではないため「三三九度」などの儀式はなし。
両親、友人と一緒に神前へ座り、神様への報告をおこなった。
途中、「二拝二拍手一拝」をしなくてはいけなかったのだが事前に聞いていなかった(というより、すっかり神社のご流儀を忘れていた)ので、日本語の分からない婿殿には手で合図するしかなかった。
ちょっとヒヤッとはしたが、無事に終了。


父、婿殿それから祖父ともに羽織袴にて、この日は登場。
母、私、祖母は共に着物。また従姉妹も振り袖の晴れ姿。

この写真は簪をさす前。この日は神社:べっ甲、お迎え:真珠、色打ち掛け:お花…と3つ付け替えた。






(いとこ家族と)
今回はお正月の帰省時期でないと親族が集まらないこともあり、毎年恒例の家族大集合が私たちの結婚報告会となった。


この食事会では“いちりゅう”さんの寿用お菓子の詰め合わせと、山口合名会社の「燦寿の息吹」を各お客様へ。実は、この両方とも「ご縁」が巡り会わせてくださった品々。
山口合名会社「燦寿の息吹」はまだ市場未発表の品。このお酒との出会いも非常に衝撃的なのだが、このお酒に情熱を注ぐ若い女性との出会いが非常に嬉しかった。
この女性とお酒のお話についてはSeasons for Reasons: 「蔵を継ぐ女性」と「燦寿の息吹」に詳しく掲載いたしました。

正直な話、「結婚報告をする食事会」だけで話をしていた私だったのだが、あけてビックリ!とはこのことで…当日になっていろいろスゴイことになっていることを知った当人たちだった。母も赤司先生も私たちに「日本の伝統」をきちんと伝えたかったのだ。

着物の後は婿殿はタキシードになり、母と一緒に…
私はイタリアで作り、イタリアの挙式で使ったウェディングドレスを。
ベール、ティアラ、ネックレス、イヤリング、ブーケは先生が用意してくださっていた。
数メートルあるベールにはビックリしたが、長いベールは思った以上にお姫様気分にさせてくれる。
同じドレスでもヘアースタイル、メーク、小物でガラッと変わるものだ。
結婚式で使う役目を果たしたこのドレスは、ミラノの知り合いデザイナーにお願いして別のドレスにデザインを変える予定。

弟も天真爛漫な姉と共に20数年を一緒に過ごしてくれたものだ…とちょっと感慨深い。
兄と弟となった二人…言葉は通じなくても「ハート」があれば『ダイジョウブ』。


アーティストの従姉妹は素敵な手作り「welcomeボード」を用意してくれた。
今回の帰省では彼女の素晴らしいアート活動に触れることができ、非常に感動したし、彼女を誇りに思った。その横にいるのは85才の祖母。いつも側にいてくれた祖母にこの日の姿を見せることができた良かった…。それにしてもいくつになっても美しい祖母である。

花束贈呈…というイベントが待っていたのが、私たちの場合は両親ではなく双方の祖父母へ。
私を非常に可愛がってくれた祖父母。大好きな孫が遠く離れてしまうのがつらい…と寂しそうだった祖母、いつも凛と私の成長を見守ってくれた祖父へ感謝の気持ちを込めて。

おじいちゃん、おばあちゃん、かあちゃま、これからも元気で長生きしてちょうだいね。


「しーゆー」(see you )と言える「ちいちゃん」と一緒に。
最初、白無垢の私を見ても言葉もかけてくれず「きょとん」としていた「ちいちゃん」。きっと「いつものお姉ちゃんと違う!」と驚いたのだろう。
でもドレスに着替えると「ニコニコ」して駆け寄って来た。それからはずっと私の手を引いて歩き廻ってくれたのだ。「ベールを持つ?」と聞いても、「ううん。手つなぐ」と。
今回は新たに「ちゃお」(ciao)を「ちいちゃん」に伝授した。
更に「ちいちゃん」には弟がいるのだが、二人とも「わん つー すりー」と言えるし、お父さんからの帰るコールの時、「しーゆー、だっでぃー、ばいばい」と言うらしい。
こりゃ、将来が楽しみだ。

私の弟と従姉妹。彼女にも弟がいるのだが、彼は四国勤務のため今回は顔を見ることができなかった。母方の「いとこ」とは近所に住んでいたこともありほとんど兄弟姉妹のような感じで育った。

従姉妹の集合写真。

そしてこの笑顔の二人は父方の従姉妹の子供。明るい笑顔は家庭の温かさを物語っている。




そして大切な大切な友人たち。お正月の忙しい時期にもかかわらず足を運んでくださって、本当にありがとう。
こちらは婿殿の大切なイタリアンamici!

今回の結婚報告会、イタリア家族の来日を見越して考えたイベントだったのだが、イタリアpapaの体調が非常に不安定でドクターストップがかかってしまったので来日は果たせず。
実はそのpapaが一番、日本に来たがっていて最後の最後まで「俺は行くんだ〜!」とつぶやいていた。
mammaと次女は飛行機恐怖症…おそらく岩にしがみついても飛行機には乗らないと思うが、せめて次女は夏に日本へ連れてこようと思う。
旅好きの長女は一昨年、私たちの神戸転勤が決まったらすぐに遊びに来たので、日本の家族や友人とはイタリア家族の誰よりも先に会っている。
とは言え、肝心の両親同士はイタリアでしっかり家族の絆を築いてくれたからこれで良いのだ。
今回の報告会ではイタリアの姉とそのパートナーが手作りで作ってくれた「イタリアの結婚式アルバム」を皆の前で両親に手渡した。そう、そのアルバムがイタリアと日本の家族をつなぐ"PONTE"なのだ。

常に自由なスタイルを望む私たちにとって、日本式の披露宴はあまりにかた苦しい…と思っていたので、母には極力「フリースタイルで」とお願いしていた。
事前の打ち合わせもなしのイベントで、友人紹介をして即興でスピーチしてもらったり、前日に用意した日本語スピーチを婿殿に読んでもらったり…実はみんなかなりドキドキものだったのだ。
でもそんなパーティーが上手く進んだもの、支えてくださった赤司先生とお弟子さんたち、そして仕切ってくださったホテル日航のマネージャーさんのおかげ。
皆様には本当に感謝しております。

そして「母」。
一番大変だったのは母。本当にありがとう。




着物、神社の儀式、お食事、お酒、音楽、全てにおいて「日本の伝統と美」をほどこしていただいたこの披露食事会。
日本の文化を継承できる女性でいたいと痛感し、また家族のつながりを改めて感じた1日であった。

「宮内庁式部職楽団」の雅楽はこの日のBGMの1つ。
雅楽(amazon.co.jpへリンク)
おすすめです…。



最後に、結婚報告を行った博多の守護神社として名高い櫛田神社のご紹介。
神社の紋がキュウリの切り口に似ていることから…


「おいさっ!おいさっ!」「山笠があるけん博多たい!」

毎年7月に行われる「博多祇園山笠」の期間中、山をかつぐ男衆はキュウリを食べてはいけない。
神社の境内をほぼ90度の直角にまがり、櫛田神社を出発する山笠は博多の街を威勢良く走り抜ける。
この山笠を見ると「夏だ!」と思うのである。そして、「博多もん」の男意気、「博多ごりょんさん」(山をかつぐ男衆をささえる博多の女性達は気だてがよく、頼りがいのある女性であることをこう呼ぶ)を再認識させられる時でもある。

January 12, 2006

うまかもん ぱーと1。

九州・福岡には『うまかもん(美味しいものという博多弁)』がたくさんある。
その中でも「博多=豚骨ラーメン」の等式はすでに代表格と言えよう。博多・福岡地区では屋台でラーメンを食べるも良し、老舗の小さなお店で味わうのも良し。
中央区には警固2丁目に「秀ちゃんラーメン」という小さなお店があるのだが、ここはその昔全国版TVで有名人が足を運ぶことが放映されて以来、ほぼ毎日行列である。ちなみに、この秀ちゃんラーメンは実家のすぐ隣で、開店当初はよく通ったが、有名になり始めた頃から味が変わったような気がして行かなくなった。値段も他の老舗と比べて高い…。

写真の行列は大名にある「一風堂」である。このラーメン店はもともと大名商店街のちょっと先にある醤油の蔵元近くで始まった小さなお店だった。それがあっという間に東京、神戸、北海道などにもお店を出すまでに急成長。20年にしてこの成長ぶりはちょっとした福岡の自慢である。
さて、我が家の「働き者」さんは2年前に初来日し、その時に食べたこの一風堂の「赤丸」にいたく感動したらしい。それ以来、ここのラーメンはお決まり「mangiamoコース」である。
実は神戸転勤時、フラフラと散歩をしていたときに偶然「一風堂神戸元町店」を発見した。それはそれは大喜びで、よくお世話になったものだ。




Kyushu-FUKUOKA(HAKATA) attracts big-stomach Japanese people by fantastic!? food.
Especially, TONKOTSU RA-MEN is the one of the well-known local food.
"IPPU DO" ---- Daimyo Chuoku, Fukuoka
However, you may enjoy eating food at traditional HAKATA YATAI(food stands).

太宰府散策

東風(こち)吹かば
にほひおこせよ 梅の花
主なしとて 春な忘れそ

小学3年生の時、百人一首の詩の中で一番得意だったのが、この詩である。
その詩の背景には太宰府と縁深い平安人がいる。

勉強の神様=菅原道真(すがわらのみちざね)というのはご存知の方も多いだろう。
藤原平安時代の右大臣であったが、あまりに賢かった彼を危惧した藤原時平により左遷され太宰府の地へ。そしてそのまま京へ戻ることなく、太宰府の地で生涯を閉じた人物である。
また人望の厚かった道真公を物語るものとして、京を去った道真公を寂しがる故に自宅の庭にあった「梅の木」が太宰府まで飛来してきた…という話は有名である。それが「飛梅伝説」として今でも語り継がれ、その梅の木は境内のすぐ側に立っている。



実は、太宰府天満宮にはオフィシャルサイトが英語・中国語・韓国語でも用意されている。
そして道真公や飛梅伝説についても素敵なイラストで紹介されているので、ぜひのぞいてみてはいかがだろう。

太宰府天満宮/Dazaifu Tenmangu:http://www.dazaifutenmangu.or.jp




毎年、受験を控えた人やその家族は合格を祈願しに太宰府天満宮へやってくる。そして、ほとんどの絵馬に「受験合格」の祈りが込められている。



2005年10月、九州国立博物館が太宰府天満宮横にオープンした。実は天満宮と博物館は幻想的な空間でつながっている。この通路には長い直線のエスカレーターが通っており、空間を演出する色が7変化するのである。
この空間がバーになったらお洒落だな…と思ったのは私だけだろうか。
Link:
九州国立博物館/Kyushu National Museum : www.kyuhaku.com


光明禅寺は人だかりの天満宮への道をちょっと入り込んだところにある。
この周辺はまた一段と趣を感じる地域である。

この禅寺、非常に庭が美しい。
よく手入れされた庭は、寒い冬であることさえも忘れさせてくれるほど苔の緑が輝き、石庭の白さが映える。そして、寺のすぐ側には小高い丘があるため、この庭の立体感が一層引き立つ。
こうした苔庭の美しい禅寺が近くにあるとは知らなかったことを今更ながら恥ずかしく思う。





この他にも「源氏物語」に登場する「観世音寺」、「太宰府政庁跡地」、奈良の薬師寺と並ぶ「戒壇院」(国の重要文化財である『盧舎那仏(るしゃなぶつ)』を本尊とする)禅寺など、数多くの歴史に触れることができるのが太宰府である。

さて、その太宰府の名物といえば「梅が枝もち」である。「梅」が道真公の飛梅伝説から来ていることはすでに申し上げたが、名物にもやはり「梅」のマークが入っている。
外はパリッと、でも餅はモチモチ。そして中の小豆はほんのり甘い…。1つ食べたら止まりませんよ…。


"caldo, caldo!"



上の写真、帰りの西鉄電車の車内で撮影したもの。兄弟がおばあちゃんに見送られ、福岡まで自分たちだけで帰っていた。太宰府の駅ではおばあちゃんが心配そうに最後まで二人を見届けていた。お兄ちゃんは「こんなのへっちゃら…」という顔なのだが、弟は「僕たちだけで帰れるのかな…あぁどうしよう…」と終始不安げだった。
その様子を見ていて、初めて私と弟の二人で祖父母の暮らす街と福岡を往復したことを思い出した。
何才のことだったか覚えていないが、3才年下のやんちゃな弟をしっかり支えて辿り着かなくちゃ!という責任感を感じていたことだけは覚えている。
今となっては海を越え、山を越え、何処にでも行ってしまうが、幼い頃の私たちの世界はおそらく半径1km以内だったに違いない…。